伊勢志摩エリアの中心に位置する「賢島(かしこじま)」。2016年にG7伊勢志摩サミットが開催されたことで一躍有名になったこの島は、真珠養殖の歴史と豊かな自然、そして美しい英虞湾の景色に恵まれた観光地です。小さな島ながら見どころや体験が多く、グルメや温泉まで一日中楽しめるのが魅力。今回は、そんな賢島を初めて訪れる人におすすめの「1日モデルコース」をご紹介します。絶景から文化体験、夜の楽しみ方まで、賢島の魅力をぎゅっと凝縮した旅のプランを参考にしてみてください。
伊勢志摩・賢島の魅力を知ろう
賢島ってどんな場所?
賢島(かしこじま)は、三重県志摩市にある英虞湾(あごわん)の中央に浮かぶ小さな島です。周囲は約7.3kmとコンパクトでありながら、近鉄志摩線の終着駅「賢島駅」があり、電車や車でのアクセスも比較的便利なため、伊勢志摩観光の拠点として多くの人に親しまれています。賢島の魅力はなんといっても、目の前に広がる英虞湾の美しい景観です。英虞湾はリアス式海岸と呼ばれる、複雑に入り組んだ海岸線と無数の小島が点在する地形を特徴としており、海と緑が織りなす風景は「ここでしか見られない日本の原風景」として高い評価を受けています。さらに湾内には数多くの真珠養殖筏(いかだ)が浮かび、きらめく海面とともに独特の景観を生み出しています。このため賢島は「真珠の島」とも呼ばれ、観光や文化、食の魅力が融合した島として知られています。小さな島ながらもホテルや温泉施設、観光船、展望台など観光資源がぎゅっと集まっており、伊勢神宮と並んで志摩地域を代表する観光名所といえるでしょう。
真珠と海の町としての歴史
賢島を語るうえで欠かせないのが「真珠」です。世界で初めて真珠養殖に成功した御木本幸吉(みきもと こうきち)の技術は、この英虞湾で確立されました。波が穏やかで水質が安定しており、さらにプランクトンが豊富な英虞湾は、アコヤ貝を育てる環境として世界でも屈指の条件を備えています。そのため現在でも湾内には無数の真珠養殖筏が浮かび、地域の象徴的な風景となっています。真珠はただの宝飾品ではなく、志摩の人々にとっては生活と深く結びついた存在です。観光客もまた、真珠を通じてこの歴史や文化を体験することができます。例えば、アコヤ貝から真珠を実際に取り出す体験プログラムでは、自分の手で真珠を取り出し、ネックレスやペンダントに加工することも可能です。さらに、賢島周辺には老舗の真珠店や美術館も多く、真珠の誕生から加工、そして芸術作品としての活用まで幅広く学ぶことができます。こうした体験や展示を通じて、賢島が「真珠の町」と呼ばれる理由を肌で感じることができるのです。
なぜ観光地として人気があるのか
賢島が全国的に注目を集めた大きな出来事が、2016年に開催された「G7伊勢志摩サミット」です。各国の首脳が一堂に会し、志摩観光ホテルや賢島周辺で会議や会食が行われました。これを契機に賢島は国内外から一躍有名になり、現在ではサミット記念館「サミエール」で当時の様子を学んだり、実際に使用された円卓や椅子の前で記念撮影をする観光客が後を絶ちません。さらに賢島は、単なる国際会議の開催地というだけではなく、豊富な観光資源を持つ点も人気の理由です。リアス式海岸を一望できる「横山展望台」や、スペイン風の遊覧船に乗る「エスパーニャクルーズ」、そして海女文化に触れられる体験施設など、自然・文化・体験がそろっています。加えて伊勢海老やアワビ、牡蠣など新鮮な海鮮グルメが豊富で、食を目的に訪れる人も多いです。こうした多面的な魅力がそろっていることこそ、賢島が観光地として愛され続けている理由といえるでしょう。
アクセス方法と移動手段
賢島へのアクセスは非常にシンプルで、公共交通機関と車のどちらでも便利に訪れることができます。鉄道利用の場合、大阪難波や名古屋から近鉄特急「しまかぜ」や「伊勢志摩ライナー」に乗車すれば、乗り換えなしで終着駅の「賢島駅」まで行くことができます。所要時間は大阪から約2時間半、名古屋から約2時間程度で、週末の小旅行先としても人気です。車でのアクセスは伊勢自動車道を利用し、伊勢西インターチェンジから一般道で約1時間の距離となっています。島内は徒歩でも十分散策できますが、横山展望台や志摩地中海村といった周辺スポットを効率よく回るなら、レンタカーや観光タクシーを利用するのがおすすめです。また、英虞湾の観光船乗り場は賢島駅から徒歩圏内にあるため、電車旅でも充実した観光が可能です。このようにアクセスのしやすさと観光資源の多さが両立している点も、賢島観光の魅力を高めています。
賢島観光のベストシーズン
賢島は一年を通して楽しめる観光地ですが、季節によって楽しみ方が異なります。春は新緑に包まれた穏やかな気候で、散策や展望台からの景色が心地よく、桜や花々とともに英虞湾を楽しめます。夏は青い空と海が映える季節で、クルーズやマリンアクティビティに最適です。特に遊覧船から眺める真珠筏と青空のコントラストはこの時期ならではの絶景です。秋は空気が澄み、紅葉と英虞湾の景色が美しく調和します。展望台や散策スポットから望む風景は、一年の中でも格別の美しさです。冬は観光客が比較的少なく、静かな環境で温泉や旬の海鮮グルメを堪能できます。伊勢海老や牡蠣など冬の味覚は特に人気で、この時期に訪れるリピーターも多いです。このように、どの季節に訪れても異なる楽しみ方ができる点が、賢島観光の大きな魅力といえるでしょう。
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午前中に楽しむ!絶景&自然体験
英虞湾クルーズで絶景を堪能
賢島観光でまず体験してほしいのが「英虞湾(あごわん)クルーズ」です。英虞湾は入り組んだリアス式海岸と大小の島々が織りなす美しい景観で知られており、その風景を最もダイナミックに楽しめるのが遊覧船です。中でも人気が高いのが、スペインの帆船をモチーフにした「エスパーニャクルーズ」。全長約50メートルの豪華な観光船で、約50分かけて湾内を周遊します。船上のデッキからは、穏やかな海に浮かぶ真珠養殖筏(いかだ)が広がり、独特の景観を眺めることができます。途中では真珠モデル工場に立ち寄り、実際に養殖の核入れ作業などを見学できるのも貴重な体験です。船内は広々としており、冷暖房完備のサロン席や特別室「イサベラ」なども備え、快適にクルーズを楽しめます。午前中の澄んだ空気の中で、波間にきらめく真珠筏や島々の緑を眺めていると、まるで絵画の中に入り込んだような感覚になります。英虞湾は時間帯や季節によって海や空の色が変わるため、訪れるたびに違った風景を見せてくれるのも魅力です。賢島を訪れたなら、まずはこのクルーズで「英虞湾の絶景」を体感するのが最もおすすめの過ごし方といえるでしょう。
展望台から眺めるリアス式海岸
クルーズと並んで午前中の観光におすすめなのが「横山展望台」です。標高140メートルほどの高台に位置し、英虞湾を一望できる人気スポットとして多くの旅行者に親しまれています。ここから見える景色は「これぞリアス式海岸」という代表的な風景で、幾重にも入り組んだ海岸線と大小の島々、そして真珠筏が点在する海が織りなす光景は圧巻です。展望台は複数のデッキが整備されており、木目調のテラスや遊歩道も整っているため、のんびりと景色を楽しむことができます。また、展望台には「天空カフェテラス ミラドール志摩」が併設されており、ドリンクや軽食を片手に絶景を眺めながらゆっくり過ごせるのも大きな魅力です。朝の澄んだ空気の中で眺める景色はとても爽快で、写真撮影スポットとしても人気が高い場所です。季節によって景色の印象も変わり、春は新緑と青い海のコントラスト、夏は青空と輝く水面、秋は紅葉と澄んだ空気、冬は落ち着いた色合いと静かな英虞湾と、四季折々の美しさを楽しめます。賢島観光を計画するなら、午前中に訪れることで人が少なく、静かに絶景を堪能できるため特におすすめです。
島めぐりで自然とふれあう
賢島そのものも散策に適した場所ですが、周辺には「志摩地中海村」など、異国情緒を感じられる観光スポットがあります。志摩地中海村はスペインや南欧の街並みをモチーフにしたリゾート施設で、日帰り入場も可能です。白壁の建物やカラフルな窓、石畳の路地が並ぶ街並みは、まるで本当に海外に来たかのような雰囲気で、特に写真映えスポットとして人気です。施設内にはレストランやカフェ、ショップがあり、散策を楽しみながらランチやショッピングも楽しめます。さらに湾岸エリアでは、遊歩道を歩くだけでも自然とふれあえるのが魅力です。湾に浮かぶ真珠筏や小島を眺めながら歩くと、賢島ならではの「ゆったりとした時間」を実感できます。また、自然豊かな周辺の森や公園を歩くことで、鳥のさえずりや潮風を感じながらリフレッシュすることも可能です。午前中にこうした散策を取り入れると、午後からの観光や食事をより一層楽しむことができます。
賢島駅周辺の散策スポット
賢島駅は近鉄志摩線の終着駅で、観光のスタート地点となります。駅のすぐ隣には「伊勢志摩サミット記念館 サミエール」があり、2016年のG7サミットに関する資料や映像が展示されています。ここでは実際に使用された円卓や椅子のレプリカの前で記念撮影をすることができ、賢島が国際舞台となった歴史的瞬間を体感できます。駅周辺には、真珠の老舗「松井真珠店」や、小さな蔵を改装した「賢島美術館」などもあり、散策しながら文化や歴史に触れることが可能です。さらに徒歩数分で「円山公園」にもアクセスでき、真珠供養塔や英虞湾を見渡せる展望エリアがあります。駅を中心に短時間で回れるスポットが多いため、午前中の限られた時間でも充実した観光を楽しむことができるでしょう。
朝の時間を活かすおすすめ散歩コース
朝の時間を有効に使いたいなら、賢島駅を起点とした散歩コースがおすすめです。まず駅を出発して「賢島大橋」を歩き、橋の上から英虞湾を眺めると、朝日を浴びた海と真珠筏の美しい光景に出会えます。次に駅周辺の「円山公園」に立ち寄り、真珠供養塔や英虞湾の展望を楽しみながら散策を続けます。その後は「松井真珠店」や「賢島美術館」に立ち寄って文化的なひとときを過ごすのもおすすめです。短い時間でも英虞湾の自然と真珠文化の両方に触れられるため、旅行のスタートに最適です。朝は観光客も少なく、落ち着いた雰囲気の中でのんびりと散歩できるのも魅力です。朝の光に包まれた英虞湾の景色はとても爽やかで、賢島旅行の思い出をより鮮やかなものにしてくれるでしょう。
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お昼に味わいたい!賢島グルメ
伊勢海老を贅沢に味わえるお店
賢島周辺でぜひ味わってほしいグルメといえば、やはり「伊勢海老」です。伊勢志摩地域は伊勢海老の一大産地であり、毎年秋から春にかけての漁期には、新鮮な伊勢海老が数多く水揚げされます。賢島や志摩市内の飲食店や旅館では、伊勢海老を使った料理が豊富に提供されており、その調理法も多彩です。お造りとして味わえば、プリッとした身の甘さと海の香りが口いっぱいに広がり、加熱すると身がふっくらとして濃厚な旨味が際立ちます。特に人気なのが「伊勢海老の具足煮」で、味噌や醤油をベースに甘辛く煮付けた一品は、ご飯との相性も抜群です。また、地元の旅館やホテルでは伊勢海老を丸ごと使った豪華な会席料理が提供されることもあり、非日常を感じられる贅沢なランチを楽しむことができます。観光地ならではの価格帯ではありますが、「本場の伊勢海老を食べる」という体験は旅の思い出に残る特別なひとときとなるでしょう。漁期には予約必須のお店も多いため、事前に確認して訪れるのがおすすめです。
忘れられない真珠貝料理
賢島は真珠養殖で有名ですが、実は「真珠貝=アコヤ貝」を使った料理も隠れた名物です。真珠を育てるアコヤ貝は食用としても活用されており、その身はコリコリとした歯ごたえと独特の旨味が特徴です。賢島周辺の一部の食事処や旅館では、このアコヤ貝を使った料理を味わうことができます。定番は「アコヤ貝のお造り」や「バター焼き」で、クセが少なく上品な味わいが魅力です。また、真珠の養殖過程で副産物として得られる貝柱は、濃厚な旨味を持ち、酒の肴としても人気があります。さらに、アコヤ貝を使った炊き込みご飯や味噌汁など、郷土色のあるメニューも提供されており、ここでしか味わえない「真珠の島」ならではの食文化を感じることができます。一般的にはなかなか口にできない珍しい食材のため、観光客にとっては忘れられない体験となるでしょう。真珠養殖とともに育まれてきた地域の知恵と食文化を堪能できる点も、賢島グルメの大きな魅力のひとつです。
海鮮丼や寿司で地元の味覚を堪能
賢島観光の昼食におすすめなのが、手軽に楽しめる「海鮮丼」や「寿司」です。英虞湾をはじめとする志摩の海は、伊勢海老やアワビ、サザエ、牡蠣など豊富な海の幸に恵まれています。地元の漁港で水揚げされた新鮮な魚介類をふんだんに使った海鮮丼は、色とりどりの魚が美しく盛られ、見た目にも豪華で旅行気分を盛り上げてくれます。マグロやタイ、イカといった定番の魚から、季節限定の旬魚まで多彩に味わえるのが魅力です。また、お寿司屋さんでは地元で獲れた魚を中心に提供しており、東京や大阪の都市部で食べるものとは一味違った新鮮さを感じられるでしょう。ランチタイムには観光客向けにリーズナブルな定食や丼ぶりを出している店も多く、気軽に志摩の海鮮を楽しむことができます。旅の合間にさっと立ち寄れる点も魅力で、クルーズや散策の後に立ち寄るコースに組み込みやすいグルメです。お腹を満たしつつ志摩の海の恵みを味わえる海鮮丼や寿司は、賢島旅行のハイライトのひとつになるでしょう。
地元ならではの郷土料理
賢島を含む志摩地方には、古くから伝わる郷土料理も多く存在します。代表的なのが「てこね寿司」。これは漁師が船上で手早く作ったことが由来とされる料理で、醤油漬けにしたカツオやマグロを酢飯にのせ、刻み海苔や薬味を散らしたものです。豪快でありながら素朴な味わいが人気で、志摩地方を訪れるならぜひ味わっておきたい一品です。また、海女文化が根付く地域ならではの料理も特徴的です。新鮮な貝や魚をシンプルに炭火で焼き、塩や醤油だけで食べるスタイルは素材の旨味を存分に感じられます。さらに、季節ごとに牡蠣やサザエの壺焼きなど、海女小屋で楽しめる料理体験も用意されており、観光客にとっては特別な食の思い出となるでしょう。このほかにも、伊勢志摩地方では魚のすり身を使った揚げ物や、海藻を使った汁物など、地域に根付いた料理が数多くあります。観光地の華やかなグルメだけでなく、こうした素朴な郷土料理に触れることで、賢島の文化や歴史をより深く感じ取ることができます。
気軽に楽しめるカフェや食堂
観光の合間に立ち寄れるカフェや食堂も賢島の魅力です。駅周辺や観光スポットの近くには、観光客向けの食堂や地元の人々が利用する小さな食堂が点在しています。こうした場所では、伊勢志摩の海鮮を使った定食や丼ぶりが手頃な価格で味わえるため、気軽に地元の味を楽しみたい旅行者にぴったりです。また、最近では観光地らしいおしゃれなカフェも増えており、英虞湾の景色を眺めながらコーヒーやスイーツを楽しめるスポットもあります。特に横山展望台に併設された「天空カフェテラス ミラドール志摩」では、絶景とともに軽食を楽しめるため人気を集めています。さらに、真珠をモチーフにしたスイーツや、地域の特産品を取り入れたオリジナルメニューを提供するカフェもあり、観光の合間の休憩にも最適です。観光で歩き疲れたときに、こうした食堂やカフェでほっと一息つけば、午後からの観光をより元気に楽しめることでしょう。グルメスポットを目的に巡るのも、賢島観光の新しい楽しみ方のひとつです。
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午後に楽しむ!文化と体験プログラム
真珠取り出し体験で思い出作り
賢島観光で特に人気がある体験のひとつが「真珠取り出し体験」です。賢島は世界で初めて真珠養殖が成功した地として知られ、今も湾内には多くの養殖筏が浮かんでいます。そのため、ここでは観光客が実際にアコヤ貝を手に取り、自分の手で真珠を取り出す体験ができる施設が複数あります。アコヤ貝の殻を開けると、中からきらりと輝く真珠が現れた瞬間は、誰もが感動を覚えるものです。取り出した真珠は持ち帰ることができ、さらにその場でペンダントやリングに加工してもらうことも可能です。こうして自分だけのオリジナルアクセサリーに仕上げれば、旅の思い出として一生残る記念品となるでしょう。また、体験の前後にはスタッフから養殖の仕組みや歴史についての解説もあり、学びの要素も含まれています。英虞湾が真珠養殖に適している理由や、御木本幸吉が築いた歴史的背景を知ることで、ただの観光以上の深い理解が得られます。家族連れやカップルにも人気で、大人から子どもまで楽しめるのが魅力です。観光地の多くのアクティビティが「見る」や「食べる」に偏りがちな中で、「体験して持ち帰れる」という点はとても貴重であり、賢島ならではの特別な午後を過ごせるプログラムといえるでしょう。
伊勢志摩サミット会場「志摩観光ホテル」見学
2016年に開催された「G7伊勢志摩サミット」で、各国首脳が滞在し、会議や食事を行ったのが「志摩観光ホテル」です。このホテルは賢島を代表する高級リゾートホテルで、戦後間もない1951年の開業以来、国内外の著名人を迎えてきた歴史を持っています。サミットの舞台となったことから、現在ではホテル館内にサミットの資料展示やフォトスポットが設けられており、多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。館内のレストランでは、当時各国首脳に提供された料理をアレンジしたメニューを味わうことも可能で、「世界のリーダーが食べた料理を体験する」というユニークな楽しみ方ができます。また、ホテル自体が英虞湾を望む絶好のロケーションにあり、ロビーやレストランからも美しい海を眺めることができます。午後のひとときにホテルを訪れ、歴史を学びつつ優雅にティータイムを過ごすのもおすすめです。単なる宿泊施設を超え、国際舞台となった特別なホテルで過ごす時間は、賢島観光をより格別なものにしてくれるでしょう。
海女文化に触れる学びの時間
志摩地方は古くから海女文化が根付いている地域です。海女は素潜りでアワビやサザエ、海藻などを採る伝統的な漁師であり、志摩はその発祥の地のひとつとされています。賢島や周辺エリアでは、この海女文化に触れられる施設や体験プログラムがあります。例えば「海女小屋体験」では、実際に海女たちが休憩に使う小屋に入り、炭火で焼いた新鮮な魚介を食べながら、海女さん本人から漁や生活についての話を聞くことができます。素朴で温かみのある体験は、まるで地元の家に招かれたような感覚で、観光客から高い人気を集めています。また、資料館などでは海女の歴史や漁具の展示が行われており、数百年にわたる文化の重みを学ぶことができます。海女文化はユネスコの無形文化遺産への登録を目指す動きもあり、地域にとっても大切に守られている伝統です。午後の観光にこうした学びの要素を取り入れることで、単なる観光地巡りとは違う、文化的で奥深い旅を体験できるでしょう。
美術館・資料館めぐり
賢島には規模は小さいながらも、個性豊かな美術館や資料館が点在しています。代表的なのが「賢島美術館(小さな蔵の美術館)」で、真珠の文化や歴史をテーマにした作品が展示されています。建物は蔵を改装したもので、落ち着いた雰囲気の中で芸術鑑賞を楽しめるのが特徴です。また、近隣には真珠を専門に扱う資料館や、志摩の自然や暮らしを紹介する施設もあります。こうした美術館・資料館を巡ることで、観光の合間にゆったりとした時間を過ごせるのが魅力です。特に午後は観光客が増える時間帯のため、屋内施設で静かに過ごすのはとても快適です。さらに、地元のアーティストの作品を扱うギャラリーやクラフトショップもあり、思わぬ掘り出し物に出会えることもあります。観光というと絶景やグルメに注目が集まりがちですが、こうした小さな文化施設を訪れることで、賢島の多様な魅力をより深く感じられるでしょう。
地元のクラフト体験
観光の午後を彩るのにぴったりなのが、地元のクラフト体験です。真珠アクセサリー作りをはじめ、海をテーマにした小物作りや貝殻を使ったアート体験など、旅行者が気軽に参加できるプログラムが用意されています。特に人気が高いのは「真珠アクセサリー作り体験」で、取り出した真珠や選んだ真珠を使って、自分だけのアクセサリーを作ることができます。ペンダントやブレスレットなどデザインの自由度も高く、完成品は旅の思い出として持ち帰れるので、お土産としても最適です。また、子ども向けには貝殻を使ったクラフト体験があり、家族で一緒に楽しめるのも魅力です。こうした体験は短時間で参加できるため、午後の観光に組み込みやすいのもポイントです。旅行の中で「自分で作ったものを持ち帰る」というのは特別感があり、観光後も長く思い出として残ります。文化や歴史だけでなく、創作の楽しみを味わえるのも賢島の魅力のひとつといえるでしょう。
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夕方から夜に楽しむ過ごし方
サンセットクルーズでロマンチックな時間
賢島の夕方といえば、なんといっても英虞湾に沈む夕日です。湾内はリアス式海岸特有の入り組んだ地形と大小の島々が点在しており、その間に沈む夕日は独特の美しさを放ちます。特に人気なのが「サンセットクルーズ」。夕方に出航する遊覧船に乗り、移りゆく空の色とともに湾内を巡ります。昼間とは異なる静けさと、オレンジから紫、そして紺へと変化していく空のグラデーションは、言葉では表せないほどの美しさです。海面に映り込む夕日と真珠筏(いかだ)が織りなす景色は、ここでしか見ることができない幻想的な光景といえるでしょう。カップルにとっては特にロマンチックなひとときとなり、記念日の旅行にもぴったりです。また、カメラ好きの旅行者にも人気で、夕日が沈む瞬間を撮影するために多くの人が訪れます。サンセットクルーズは季節によって出航時間が異なるため、事前に確認して予約するのがおすすめです。旅の締めくくりにふさわしい体験であり、賢島の一日を美しく彩る特別な時間となることは間違いありません。
温泉で癒やされるリラックスタイム
観光で歩き回った後に楽しみたいのが温泉です。賢島周辺には宿泊者だけでなく日帰りでも利用できる温泉施設があります。中でも有名なのが「伊勢志摩温泉 湯元館 賢島宝生苑」で、ここはG7伊勢志摩サミットの際に議長会見場としても使用された格式ある旅館です。宝生苑の魅力は、英虞湾を一望できる大浴場と露天風呂。特に露天風呂は、海にせり出すように設計されており、目の前に広がる穏やかな海を眺めながら湯に浸かることができます。また、浴場内には約3万個の真珠が埋め込まれているというユニークなデザインもあり、まさに「真珠の島」ならではの温泉といえるでしょう。日帰り入浴プランも用意されているため、宿泊しなくても観光の合間に立ち寄れるのが便利です。温泉で体を癒やした後は、館内のレストランやラウンジで夕食やティータイムを楽しむこともできます。観光と温泉の両方を満喫できるのは、賢島ならではの贅沢な過ごし方です。夕方から夜にかけて、海を眺めながらゆったりとした時間を過ごせば、旅の疲れも吹き飛び、翌日への活力を得ることができるでしょう。
夜の英虞湾ナイトクルーズ
昼間や夕方のクルーズも魅力的ですが、夜の英虞湾を楽しむ「ナイトクルーズ」もまた特別な体験です。日が沈んだ後の湾内は昼間とは全く違う表情を見せ、静まり返った水面に月明かりや星が映り込みます。さらに、真珠養殖筏に取り付けられた照明が点灯すると、海面に光が揺れ、幻想的な雰囲気に包まれます。観光客は甲板に出て、波の音を聞きながら夜空を見上げたり、光に照らされた筏を眺めたりと、非日常的な時間を過ごすことができます。都会ではなかなか見ることができない満天の星空を体験できるのも魅力で、自然の美しさと静けさに癒やされるひとときとなるでしょう。ナイトクルーズは季節や曜日によって運航状況が異なるため、事前にスケジュールを確認して参加するのが安心です。昼から夜にかけて英虞湾を異なる表情で楽しめるのは、賢島観光ならではの贅沢といえます。
宿泊するならおすすめの旅館・ホテル
賢島での夜をより充実させるなら、宿泊施設選びも重要です。賢島周辺には高級リゾートホテルから和風旅館、家族向けの宿まで幅広く揃っています。特に人気が高いのは「志摩観光ホテル」で、サミット会場となった歴史と格式を誇る名門ホテルです。洗練された客室や、英虞湾を眺めながら味わうフレンチ料理は特別感にあふれ、非日常を体験できます。また、温泉を楽しみたいなら「賢島宝生苑」がおすすめで、大浴場や露天風呂、真珠を埋め込んだ浴場などユニークな設備が揃っています。さらに、カップルや女性旅行者に人気の小規模なリゾートホテルもあり、プライベート感を重視した滞在が可能です。和室でのんびりと過ごせる旅館や、リーズナブルでアットホームな宿も揃っているため、旅行スタイルに合わせて選ぶことができます。宿泊することで、昼から夜、そして朝にかけて変わりゆく英虞湾の景色を堪能できるのも大きな魅力です。賢島を訪れるなら、一泊してゆったりと滞在するのがおすすめです。
翌日に向けたおすすめプラン
夕方から夜を楽しんだ後は、翌日の過ごし方も計画しておくと旅行がさらに充実します。例えば、翌日は伊勢志摩エリア全体を巡るのがおすすめです。伊勢神宮への参拝はもちろん、夫婦岩や鳥羽水族館など、賢島からアクセスしやすい観光地は数多くあります。また、英虞湾周辺で朝日を眺めるのも格別で、賢島大橋や展望台から見る日の出は心に残る景色となるでしょう。宿泊施設で朝食をとった後にクルーズや散策を楽しみ、そのまま志摩市内や伊勢市内へ移動するコースは定番ですが満足度が高いプランです。夜までしっかり遊んだ後も、翌日に余裕を持たせることで旅全体のバランスが良くなります。特に伊勢志摩は海と山、文化と自然が融合したエリアなので、賢島を拠点に周辺を巡ることで旅行の幅がぐっと広がります。夕方から夜を賢島で楽しんだあと、翌日も充実した旅を計画することで、忘れられない伊勢志摩旅行となるでしょう。
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まとめ
賢島は小さな島でありながら、自然の絶景、歴史と文化、そしてグルメと体験がぎゅっと詰まった観光地です。午前中は英虞湾のクルーズや展望台から美しいリアス式海岸を楽しみ、昼には伊勢海老やアコヤ貝などの海の幸を堪能。午後は真珠の取り出し体験やサミット会場となった志摩観光ホテルの見学、さらに海女文化やクラフト体験を通して学びと創作の時間を味わうことができます。そして夕方から夜にかけては、サンセットクルーズや温泉、ナイトクルーズで心に残るひとときを過ごせるでしょう。宿泊すれば翌日の観光にも余裕が生まれ、伊勢志摩全体を巡る充実した旅につながります。
「見る」「食べる」「学ぶ」「体験する」といった多彩な楽しみ方ができるのが賢島の大きな魅力です。初めて訪れる人にも、リピーターにもおすすめできる観光地であり、一日を通して満足度の高い時間を提供してくれるでしょう。真珠と海の島・賢島で、あなたも特別な思い出を作ってみませんか?